おねえちゃん2

H10年。
私が正看護婦として仕事を始めた年です。
4/1から新しい病院で勤務しはじめました。
おかあちゃんのことをなんとか受け止め、再出発の気持ちでがんばってる時期でもありました。

おかあちゃんのこと、学校のことなどでおねえちゃんには苦労をかけてきました。
定時制の高校を行きながらバイトし、高校卒業と同時に段ボール加工会社に就職。
少ないお給料でしたが、妹に誕生日プレゼントとしてワープロを買ってくれたり、お祝いごとには飲みに連れていってくれたり、優しいおねえちゃんでした。
小学生の頃はいじめられっこでした。
その原因も人の悪口を言ってるのに反対したから。
そんなおねえちゃんでした。

新しい職場にもやっと少し慣れた7月。
深夜勤(24時~9時までの勤務)から帰ってきて、寝てるとおねえちゃんが会社を早退して帰ってきました。
お腹が痛いというのです。
でも我慢できない程の痛みではないし、風邪でもひいたのかも・・・と笑って話してました。
「今日はしんどいからご飯作れないかも・・ごめんね。」
そういって自分の部屋で寝てしまいました。

翌日、おねえちゃんのお腹の痛みは変わり無し。
熱も出てふらふらだったこともあり、近所の内科の医院の先生に往診にきてもらうことになりました。
往診の結果は「風邪と便秘」
痛み止めと抗生物質の入った点滴をして様子を見ることになりました。
「しっかり水分をとり、ゆっくり寝てれば治るでしょう」
そういって医者は帰っていきました。
その日の私の勤務は準夜勤(夕方17時~翌日1時まで)
点滴が終わって針を抜き、少し痛みがましになってきたというおねえちゃんの言葉に背中をおされるように、仕事へ出勤しました。
夜中2時過ぎに帰宅。
普段なら1階の自分の部屋に直行するのに、なにか気になって2階のおねえちゃんの部屋へ様子を見に行きました。
私が帰ってきたことに気付いたお姉ちゃん。
「おかえり」と笑顔で迎えてくれました。
痛みどう?ときくと、「少し便もでたし、ポカリ飲んで落ち着いてるよ」と答えてくれました。
そんなおねえちゃんの様子を見て、安心して自分の部屋に戻りました。


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